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プレスからのお知らせです。
2002年 今年のボージョレヌーボー
2002年 11月 15日 (金) 14:45 | 編集
今年も11月21日の第3木曜、午前0時がボージョレヌーボーの解禁です。
昨年もこの季節の話題としてボージョレについて触れました。
もう1年だなんて早いものですね。
同じような話題では芸がないので、今年はちょっと違った角度から。

レストランでは同じ赤ワインでも、
ワインの種類によって形状の違うグラスを出してくれますね。
これは理由を聞かなくても直感的に納得する部分もありますが、
舌で感じる味覚の部位とワインの性格を考えてのことだそうです。

例えば白などの酸味の強いワインには卵型のグラスを合わせますが、
先をすぼめることにより、まず甘味を感じる舌先に当て、
さらに酸味を多く感じる舌の両サイドに流れにくくすることで、
まっすぐ喉まで流れるようにし、酸味を柔らかく感じさせます。

ブルゴーニュ産の(もちろんボージョレも)酸味が強く、若いフレッシュな赤ワインは、
酸味を調節するため、舌の真中でやや面積を広げて受けるようにし、
白に合わせるグラスよりやや少し丸みを帯びた形状のタイプを合わせます。

同様に渋み(タンニン)の強いワインが、渋みを感じる部位に直接流れこまないようにであるとか、
品種によっては舌の他にその芳醇なブーケ(香り)を高めるため、
非常に容積の大きな形のグラスを合わせるであるとか、
グラスは近年の化学的な研究に基いて意図的に作られ、
ワインを味わうための非常に大事な道具建てとなっています。

もっとも奥深い世界ですので、この程度の浅い知識ではご披露するまでもないのですが、
グラスとワインの関係が舌の感覚器官に係わることを少し知っていれば、
家でいただくワインのグレードも上がるかもしれません(~_~;)。

ワインに限らず、アルコールとグラスとの関係は非常に密接で、形状、大きさ、薄さ、
それこそお酒の種類だけグラスの形状もある訳です。

また、それは本来かなり厳密に使い分けられていて、
飲酒にかける情熱(というか執念というか)が、
文化を発達させる原動力になっているのはまちがいありませんね。
カールヘルムの「ハリスツイード」
2002年 11月 08日 (金) 14:41 | 編集
伝統の重みを感じる「ツイード」の語源は意外にもユニークなものです。
綾織りのことをツイール(Twill)といいますが、スコットランドではTweelと表記します。ところがある日、ロンドンの毛織物卸商が伝票に誤って「Twill」と書くべきところを「Tweed」としてしまい、
語感の良さからそれが定着してしまいました。

スコットランドの人にも分り易いように現地語の「Tweel」にしようとして、
最後の「L」を「D」に間違ったであるとか、
スコットランドとイングランドの境界を流れるツイード川(Tweed River)の印象があったからだとか、
今となっては理由は謎ですが、
いずれにせよその毛織物卸商の間違いに端を発した名前ではあるようです。

紡毛服地を連想させ、しかも短く覚えやすい、まさにグッドネーミングだったので、
業界の共通用語としてすぐさま定着したのでしょう。

今回カールヘルムで使用しているのは『ハリスツイード』。
ツイードの中でも、西スコットランド、アウターヘブリス諸島のハリス、
ルイス島で織り上げられたツィードだけが、英女王の勅許により『ハリスツイード』と呼ばれます。

厳しい環境に耐えられる、英国山岳種のブラックフェイスという羊の新毛のみを
手紡ぎ・手織りの技法で織り上げたものだけがその名称を許されるのです。
産業革命時の機械化の波を経ても頑なに昔の手法を守り、今なお古い織機で織られるため、
生地はシングル巾が主体です。
これは普通の背広地がダブル巾であることを考えると、
生産効率より伝統と品質を優先していることは言うまでもありません。

その風合いは、あくまでざっくりと野趣にあふれ、着るほどに身体になじむ独特の趣を持ちます。
ジャケットの内側には栄誉と伝統の素材であることの証明に、
十字架付きの宝冠をデザインした織りマーク。
一着毎にシリアルナンバーが付いています。
ぜひ一着は持っていたいジャケットです。
アランニットのこと
2002年 11月 01日 (金) 20:07 | 編集
カールヘルムでアラン編みニットが発売になります。

アランセーターといえばアイルランド。
アイルランドへはいつか、行ってみたいという夢があります。
ケルト民話発祥の地にして、U2やエンヤの音楽を生んだ荒涼とした大地。
風がうねりを上げるこの国の磁力にひかれるのは私だけではないはずです。

セーターの"アラン編み"は、そのアイルランドの西の果てに位置するアラン島が発祥の地といわれ、今日、アランニットはセーターの定番、代名詞のように浸透しましたが、
元はといえば、タータンチェックの柄が家によって違うように、
アラン島の漁師が家によって編み方の違うセーターを着ていたことによります。

ダイヤモンドケーブル(縄編み)、ハニーコーム(蜂の巣)、アイリッシュ・モス(かのこ編み)
といったアランニット特有の模様編みのセーターは、
冬の荒海に揉まれる漁師達を暖かく包んだことでしょう。

でも、それは作物が何も育たない「神に見放された土地」ゆえに、
日々の糧を海に求めざるを得なかった男達が命運尽きて遭難した時、
波が島まで運び戻したその遺体を、どこの家の者か判別できるための物だったと言います。

一介のモチーフにすぎないものでも、服飾の歴史を辿ると、長い年月や平和な時期を経ることで、
本来の用途や機能といったものが淘汰され、様式だけが今日に至るケースが多々あります。

あたたかなぬくもりをたたえるセーターも、
そんな苛酷な現実に裏打ちされた背景を持っていました。
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