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プレスからのお知らせです。
アランニットのこと
2002年 11月 01日 (金) 20:07 | 編集
カールヘルムでアラン編みニットが発売になります。

アランセーターといえばアイルランド。
アイルランドへはいつか、行ってみたいという夢があります。
ケルト民話発祥の地にして、U2やエンヤの音楽を生んだ荒涼とした大地。
風がうねりを上げるこの国の磁力にひかれるのは私だけではないはずです。

セーターの"アラン編み"は、そのアイルランドの西の果てに位置するアラン島が発祥の地といわれ、今日、アランニットはセーターの定番、代名詞のように浸透しましたが、
元はといえば、タータンチェックの柄が家によって違うように、
アラン島の漁師が家によって編み方の違うセーターを着ていたことによります。

ダイヤモンドケーブル(縄編み)、ハニーコーム(蜂の巣)、アイリッシュ・モス(かのこ編み)
といったアランニット特有の模様編みのセーターは、
冬の荒海に揉まれる漁師達を暖かく包んだことでしょう。

でも、それは作物が何も育たない「神に見放された土地」ゆえに、
日々の糧を海に求めざるを得なかった男達が命運尽きて遭難した時、
波が島まで運び戻したその遺体を、どこの家の者か判別できるための物だったと言います。

一介のモチーフにすぎないものでも、服飾の歴史を辿ると、長い年月や平和な時期を経ることで、
本来の用途や機能といったものが淘汰され、様式だけが今日に至るケースが多々あります。

あたたかなぬくもりをたたえるセーターも、
そんな苛酷な現実に裏打ちされた背景を持っていました。
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