PINKHOUSE Official Blog
プレスからのお知らせです。
グリム童話集
2004年 10月 06日 (水) 16:34 | 編集
グリム童話にこんな話があります。
要約すると…、
世界を造り終えた神様は、生き物達に等しく寿命を与えようとし、
まず最初にやって来たロバに「30年はどうか」と尋ねます。
するとロバは「鞭で叩かれ、重い荷物を運び、30年も生きるのは長すぎます。」と答えます。
あわれに思った神様はロバの寿命を18年短くしてやりました。

次にやって来た犬も同様に、「30年も走り続けるのはごめんです。」と願い出て、
12年に短くしてもらいます。
神様は、陽気に暮らす猿こそは、と思うのですが、その猿でさえも、
「とんでもない、間の抜けたことをして、笑い者になりながら生きていくのも辛いのです。」と訴え、
慈悲深い神様に寿命を10年短くしてもらいました。

ところが最後にやってきた人間は、神様が決めた30年という寿命に、
「やっと畑を耕し、家を建ててこれからというところで寿命が尽きるのはあんまりです。」
と神様に訴えます。
それもまぁ、もっともな言い分という事で、ロバから削った18年を与えますが、
それでも足りないからと犬の12年、猿の10年も貰い受け、人間の寿命は70年と決まりました。

なので、人間は始めの30年は人として生きることができるが、
その次の18年はロバのように苦役を強いられ、
次の、犬から貰った12年は走る元気もなくなり、
最後は猿のように間の抜けたことをする事になるのです。

と、こういった話しなのですが、子供の頃読んだグリム童話集の中に、
赤頭巾や白雪姫と一緒にこの『寿命』という話が載っており、おどろどろしい挿絵と相まって、
長く恐怖の対象でした。
今読み返すと、示唆に富んだ寓話のひとつであり、
どこが怖かったのか、良くわからないですが…。

この話に限らず、グリムの童話には、怠け者や心がけの悪い者に罰が下ったり、
戒めや教訓めいた話が多く盛り込まれています。
教育や法律が整っていなかった時代、子供に道徳心を植え付けるには、
恐怖を煽る事が一番効果を発揮するのは確かです。

ただ、悪い事をすれば天からの罰が下るという訓示は、自分への戒めというよりは、
今よりもっと不条理だった時代に、圧政者や凶悪な人間に対して、
弱い立場の人間の救い、もしくは願いに近いものだったのかもしれません。

さて、メルヘンとは遠い話になってしまいましたが、
秋はメルヘン街道を訪ねるように、ピンクハウスのコレクションが進行しています。
アンティークな印象のプリントや、凝ったシルエット、秋らしく枯れた色合いの花達も印象を強くし、
甘いメルヘンとは一味も二味も違う印象です。
終着まで、どうぞご一緒に。
copyright (C) PINKHOUSE Official Blog all rights reserved.