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カポーティ 「クリスマスの思い出」
2006年 11月 30日 (木) 12:28 | 編集
話題になる映画が多かったので、あまり触れられず、
サラッと終わってしまった感のある映画「カポーティ」ですが、本人の強烈な個性とともに、
今年、とても印象に残った映画のひとつでありました。

トルーマン・カポーティと聞いてもあまりピンと来ないかもしれませんが、
かの、「ティファニーで朝食を」(1958年)の原作者であります。
また、犯罪ノンフィクションの草分け的存在でもあり、「冷血」(1966年)は彼の代表作ともいえます。

その、「冷血」を書き上げるまでの経緯を映画化したのが「カポーティ」ですが、
当時すでに本人がゲイであることをカミングアウトしていたり、
当時としてはエキセントリックな人柄だっただけに、映画も好き・嫌いが分かれそうです。

ただ、私が初めて読んだカポーティの作品が、「クリスマスの思い出」という短編で、
それはそれは静かで小さなイノセンスの世界のお話でした。
そのカポーティと冷血のカポーティを結び付けるのは難しく、
それくらい「冷血」の作者は屈折しており、
「クリスマスの思い出」の作者は繊細で美しい世界を持っています。

カポーティは他にもいくつか、「イノセント・シリーズ」といえる小品を残していますが、
それは彼の幼少期の記憶に基いた作品だと言われています。

先日、あらたに村上春樹:訳、しかも、
山本容子さんの版画が挿絵として使われている「クリスマスの思い出」を発見し、
静謐な物語の世界にしばし触れました。
実は、もう10年以上も前に刊行されており、
私が手に取った本もすでに何回も刷を重ねていた本でした。

両方とも、元々著名な方々ですが、村上春樹さんの翻訳本と山本容子さんの銅版画がこの頃、
とみに注目度を増してきて、さらにはクリスマスシーズンが重なって、
書店の前に積まれていたのだと思います。

このところ、オンラインで本を注文することが多いのですが、
やはり店頭での出会いほどに心を躍らせてはくれません。
ましてや、美しい装丁の本は大切な人へのプレゼントにぴったりです。
やっぱり、本屋さんを巡るのは楽しいですね。
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