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ル・ジャルダン・デ・ローズ
2007年 04月 05日 (木) 16:02 | 編集
INGEBORG 2007年夏のコレクションテーマは、
" le jardin des roses"~ル・ジャルダン・デ・ローズ~
バラの庭園という意味です。

印象的なプリントは、アンティーク陶器の柄からイメージしたバラ、
水彩タッチで描いたバラ、線画やドットのグラフィックな表現を用いて描いたバラなど、
様々なバラがまるでガーデンのように咲き誇りました。
華やかでエアリーな着こなしをお楽しみいただけるコレクションです。

───長い間、ヨーロッパの人々にとって、東洋から輸入される白い陶磁器は、
何度研究を重ねても作り出すことのできない神秘の器であり、
ために、王族など、権力と資金を持ったごく一部の人間だけが手にすることのできる、
垂涎のコレクターアイテムでした。

これには、高温で焼いても成形ができる東洋の地質環境も関係していた訳ですが、
中でも、ザクセン選帝侯にしてポーランド王であった、
強王フリードリヒ・アウグスト1世(1670~1733年)は、古伊万里の装飾壺を手に入れるために、
兵隊を売り払ったという逸話が残るほどの熱烈な蒐集家でした。

しかし、アウグスト1世に限らず、当時のヨーロッパの上流階級の間では、
財政をも逼迫させるほど陶器に傾倒するも多く、
それは利益が見込める熱い市場の存在を意味することでもあります。

アウグスト1世は、自身も収集家でありながら、何とかして、自前で陶磁器が作れないものかと、
ベットガーという一人の錬金術師を何年も監禁状態にして、ついに白磁の開発に成功します。

しかし、安定供給するには更に年月を要し、
ベッドガーは囚人のような生活を強いられ、健康を害して若くして亡くなります。
しかし、これがマイセン社の陶器の起源となりました。

その後も、秘伝を守るがゆえに、技術者の引き抜きや流出、
贋作の登場など工房の危機に常に直面しながらも、絵師の登場やロココ美術、
印象派の洗礼などを経て洗練されて行きます。
そしてやがて、東西ドイツを隔てる壁が崩壊する前も、
またその後も、高級陶器として大きな利益を生み続けてきたのです。

当時の国民にとっては、時に狂気に近い熱情は、甚だ迷惑なものだったに違いありません。
しかし、真の芸術と文化を持つものは、
後々の子孫に、永く利益をもたらすものであったりします。
(ノイシュバンシュタイン城も然りで、莫大な建設費を投じたと言われますが、
観光収入の要所となっています。)

さて、白い陶器に描かれる花や意匠に東洋趣味が多いのは、
そういった歴史を踏襲しているためであり、
特に総称してシノワズリ(chinoiserie)とも呼びます。
今回のインゲボルグのプリントも、どこかそんな要素も感じませんか?
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